以前もフローについて記事にしましたが、今回はフローがどんな感じなのか少し詳しく書こうと思います(^^)
刺繍をしていると、ふと時間が消える瞬間があります。
気づけば部屋の明るさが変わり、さっきまで考えていた心配ごともどこか遠くに追いやられている。
その静かな幸福感には心理学の言葉があります。
ミハイ・チクセントミハイが名づけた「フロー(Flow)」
行為そのものが喜びになり、没頭がもたらす深い充実感のことです。
さらに、フロー状態を自然に楽しめる人には「オートテリック(自己目的的)な性格」があります。
オートテリックな人は、結果や他人の評価ではなく行為そのものを楽しむことができるのです。
刺繍、絵画、楽器演奏、スポーツ……どんな活動でも行為そのものの心地よさを深く味わえます。
フローとは 行為と意識がひとつになる瞬間
チクセントミハイは、画家、音楽家、登山家、アスリート、科学者など多くの人に
「最も楽しい瞬間」を聞き続けました。
すると、どんな分野でも共通した特徴が見えてきました。
- やるべきことが明確である
- 今の自分で届くか届かないかの挑戦がある
- 成功か失敗かがすぐにわかる
- 雑念が消え、行為に没入する
- 時間感覚が変わる
- 自意識から解放される
- 行為そのものが目的になる
音楽家が旋律に没頭して指が自然に動く瞬間、
画家が筆と色に吸い込まれる瞬間、
登山家が山の稜線に一歩一歩集中する瞬間、
アスリートが体と呼吸を完全に一体化させる瞬間……
それらはすべてフローの体験です。
刺繍もまた、小さな手仕事の中で同じ感覚をもたらしてくれます。

刺繍とフロー 針先に現れる9つの特徴
- 明確な目標
刺繍では布と糸、針が揃うと自然に「やるべきこと」が現れます。どのステッチ使うか、どの色を選ぶか——小さな選択が意識を集中させます。画家が次に塗る色を思案するのと似た瞬間です。 - 即時のフィードバック
針目の揃い方、布や糸の張り、色の見え方など、結果はすぐ返ってきます。音楽家が弾いた音の響きで演奏の手応えを感じる感覚と同じです。 - 挑戦と能力のバランス
刺繍は簡単すぎても退屈、難しすぎても挫折しがちです。中間の“小さな挑戦”が没頭の入り口になります。登山家が少しだけ技術を試される岩場に差し掛かる瞬間や、アスリートが自己記録に挑む瞬間と重なります。 - 行為と意識の融合(没頭)
一定のリズムで針を運ぶと、意識は自然に手先へ集中します。画家が筆の感覚に心を奪われる瞬間や、音楽家が旋律に溶け込む瞬間と同じです。 - 気を散らすものが消える
針を持つ手の感覚に意識が向かうと、外界の雑音やスマホの通知も遠ざかります。没頭する時間が静かな世界を作り出します。 - 失敗への不安からの解放
刺繍は「ほどけばやり直せる」という前提があります。失敗を恐れず大胆に試せる安心感が、フローを支えます。画家が絵を塗り直す自由、アスリートがプレー中に修正できる柔軟性と同じです。 - 自意識の消失
他人と比べたり、評価を意識したりする必要はありません。針を動かしている間は、“ただ刺している自分”だけが存在します。 - 時間感覚の変容
刺繍をしていると、10分が長くもあり、1時間があっという間に感じられることがあります。登山家が頂上を目指す一歩一歩や、アスリートが試合に集中する感覚も同じです。 - 行為そのものが目的になる
完成させるためではなく、刺している時間が心地よいから続けている——ここに至ると、刺繍は作業ではなく、自己を整えるための儀式になります。画家が描く瞬間そのものを愛するのと同じです。
創造性と刺繍 — 小さな発見の喜び
創造的な行為は“問題の発見”から始まります。
刺繍も同じです。
- この色の組み合わせはどうだろう
- 糸を重ねたら影に見えるかな
- 布目を変えたら質感はどうなるだろう
小さな問いが小さな発見を生み、「これだ」と腑に落ちる瞬間に直感的な喜びが生まれます。
画家が色の混ざり方に感動する瞬間や、音楽家が旋律の微妙な転調に心を震わせる瞬間と同じです。
刺繍の時間がもたらすもの
刺繍を続けることで、次のような変化に気づきます。
- 心が少しずつ整う
- 自分のペースを取り戻せる
- 考えすぎていたことが小さくなる
- 「いまここ」に戻ってこられる
情報過多で疲れたとき、針と糸は自分を取り戻す助けになってくれます。
音楽や絵、スポーツでも、没頭する時間が心を落ち着かせ、整えてくれるのです。
最後まで読んでくださりありがとうございます♡
刺繍の時間が、みなさんの日常の小さな幸せになりますように。




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